
冬はやっぱり「鍋」!知っておきたいコロナ禍の提供ルールとトレンド鍋
冬場に気の合う数人でひとつの鍋を囲むのは至福のとき。けれどコロナ禍で従来のような鍋料理を提供してよいのかと迷っていませんか?そこで、提供時の注意点と今期のトレンド鍋をご紹介します。
ニューノーマル時代、鍋を提供するには?
鍋料理では、ひとつの鍋を数人で食べるのが一般的です。しかし、数人で共通のレンゲや箸を使い、ひとつの鍋をつつくスタイルには感染リスクが伴います。万が一に備え、提供時には感染対策をする必要があります。
一般社団法人日本フードサービス協会と一般社団法人全国生活衛生同業組合中央会が作成した「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針(改正)に基づく外食業の事業継続のためのガイドライン」には鍋料理の提供に関して次の記載があります。
「料理は大皿盛りを避けて、個々に提供する。鍋料理や盛り合わせ料理などを提供する場合は、従業員等が取り分けるなど工夫する」
「スプーン、箸などの食器の共有、使い回しは避けるよう、掲示などにより注意喚起する」
上記から、感染対策をするひとつの方法は「ひとり鍋」スタイルでの提供といえます。個々で小さい鍋で食べるのは楽しみが半減するような気がしますが、外食時に感染対策を重視する飲食店利用者が多い現在、有効な方法と言えるでしょう。
また、ひとり鍋には「気兼ねなく食べられる」「辛さなど味を自分好みに調整できる」「自分のペースで食べ進められる」「自分の好きなシメを選べる」などの利点もあるため、好意的に捉えるお客さまは多いはずです。
串鍋スタイルなら取り分けが安心
従来の大鍋はそのままに、おでんのように具材それぞれに串を刺す「串鍋」スタイルで提供するお店も出てきています。
串鍋は2016年ごろに「従来の鍋とは異なるビジュアルの鍋になり、SNS映えする」と注目されました。今期は「スポーンや箸の使いまわしをしないで済む」「スマートに取り分けられる」と再注目されています。
今期のトレンド鍋はコレ!
まだまだ外食回数を抑える傾向が続いており、外食はこれまで以上に“楽しみ”や“特別感”を伴う行動になっています。この流れを受け、「家では食べられない鍋」の人気が高まっています。
○痛風鍋
あん肝や白子、牡蠣などの高級食材がたっぷり入った鍋料理。痛風を引き起こしやすいとされるプリン体を多く含む具材が多く入っていることから「痛風鍋」と呼ばれています。
○シュクメルリ鍋
シュクメルリとは、鶏肉をたっぷりのにんにくとともに牛乳やサワークリームで煮込んだジョージアの郷土料理。「世界一美味しくニンニクを食べられる料理」とも言われているそうです。〆にはごはんもパンも相性抜群。
○ご当地鍋
思うようには旅行に行けない今、きりたんぽ鍋、石狩鍋、炊き餃子……などご当地の味を求める声もあります。2つの地域の定番鍋を掛け合わせてコラボご当地鍋とするなど、オリジナル化・差別化を図ることもできるでしょう。
○しゃぶしゃぶ・すき焼き
外食は家族ですることが増えているため、「家族みんなが好きで食べやすい」といった理由で、しゃぶしゃぶ・すき焼きも人気です。焼きプレートがついた鍋や食材を置くプレートと一体化している鍋などの新たなアイテムを活用し、進化系のしゃぶしゃぶ・すき焼きを提供する店も出てきています。
〆のトレンドはオートミール
オートミールの米化が2021年にブームになりました。〆の選択肢にオートミールの粥やリゾットを入れるとお客さまに喜ばれそうです。お米と同じように使えるため、和風、洋風、中華風……どんな鍋でも取れ入れやすいでしょう。
お店が鍋の提供方法を変えても、お客さまの協力なくして感染対策はできません。マスク会食を呼びかけたり、食器の共有を避けるように促したり、その時その時で必要な対策も講じていきましょう。