
2021年「食のトレンド」はコレ!2022年の行方は?
今年もさまざまな「食のトレンド」が生まれました。その中から、中長期的に注目していきたいキーワード5つをご紹介します。
1 ネオ(大衆)居酒屋、ネオスナック
「ネオ」は「新しい」や「復活」を意味する言葉。レトロな風情と現代のオシャレな感覚が融合しているのが「ネオ居酒屋」「ネオスナック」です。2021年、Instagramでは「#ネオ居酒屋」の投稿数が上昇。一般社団法人SNSトレンドマーケティング協会が発表した「2022年 SNSトレンド予測番付」では“横綱”にランクインしており、消費者の関心は非常に高まっていることがわかります。
「ネオ居酒屋」の人気の要因は、料理やドリンク、配布物、空間……と、随所に「映え」の仕掛けがあり、従来の居酒屋とは異なる楽しみ方ができること。そして「ネオスナック」は、スナックながらノンアルコールも豊富で、店舗によっては食事も充実。客層は20・30代が中心で、社交場、同じ趣味を持つ人が集まる同好会といった使われ方がされています。2020年頃から続いている昭和レトロな食べ物や飲み物のブームも「ネオ居酒屋」「ネオスナック」への注目を高めているようです。
飲食店を開業する際、居抜き物件は開店費用を大きく抑えられるメリットがあるももの、「イメージに合わない」というケースがあるでしょう。ネオ大衆居酒屋、ネオスナックの台頭は居抜き物件をつかって新店舗を効率的に出店するヒントにもなりそうです。
2 あたため系スイーツ
大流行したスイーツといえば「マリトッツォ」。フランス発祥の「ブリオッシュ」生地にたっぷりのクリームを挟んだもので、スイーツ店、ベーカリー、コンビニ……とさまざまな企業が売り出しました。
マリトッツォ人気には及んでいないものの、レンジやオーブンを使う「あたため系スイーツ」も種類豊富に登場しています。チョコがとろけるフォンダンショコラ、チーズがとけて伸びるチーズケーキ、香りが立つカステラ、サクサクとろとろが引き立つクレームブリュレ、そしてパイやタルト、団子などです。
これらのスイーツはそのままでも食べられますが、あたためることで見た目も味も変化します。コロナ禍で自宅にいながらも、ちょっとした贅沢「体験」ができることがトレンドにつながったと考えられます。
3 健康志向
新型コロナの感染拡大をきっかけに、免疫機能アップ、運動不足解消など健康面に関心を寄せる人が増えました。健康志向が高まったことが、オートミールなどの消費拡大につながりました。
○オートミール
オートミールは、オーツ麦を脱穀し食べやすく加工した穀物。糖質が低い、食物繊維が多い、ミネラルが豊富などすぐれた食材であることは知られているものの、「口に合わない」と感じる人は少ないようです。
しかし、水を加えて電子レンジで加熱し「米化」し、お米のように食べる方法が日本人の味覚にマッチ!ダイエットや健康に関心がある層が、米や小麦粉の代わりに食べる“代替食品”としてオートミールを日々の食事に取り入れるようになりました。
調査会社インテージが全国約6000店舗から収集した小売店販売データ「SRI+(全国小売店パネル調査)」によれば、オートミールの2021年の売上は、2019年比818%、2020年比281%という驚く結果が出ています。
○乾物
「巣ごもり需要」が発生した際、最初に売上が伸びたのは乾麺やパスタ、もちなどでしたが、徐々に売れ始めたのが、切り干し大根、椎茸、海藻などの乾物でした。乾物のほとんどが栄養価が高いけれど低カロリーであることに加え、常温で長期保存ができる、生ごみを出さずに調理できる、軽く場所を取らないので買い込みやすい点などが評価されたようです。
○プラントベースフード
プラントベースフードは、植物性の食材からなる食品全般を指します。「プラントベースフードはヘルシーだから健康的」と捉え、消費する人が増えています。
よく知られたプラントベースフードといえば「大豆ミート」でしょう。マーケットが拡大する中、消費者が商品を正しく理解して購入できるようにするため、農林水産省は大豆ミート使用商品を対象としたJAS(日本農林規格)案を固めました。2022年春頃には規格が制定する予定で、認知度や購買意欲がさらに広がっていくと予想されます。
2022年も健康志向は高止まりするでしょう。また、若者を中心に「映え」探しも続きそうです。食の世界からどんなトレンドが生まれるのか、今から楽しみですね!