
飲食店の時給が過去最高額に!人材不足にどう対応する?
2021年10月の飲食店のアルバイト・パート時給が全国的に過去最高額になったことがわかりました。人材の争奪戦が激しくなる中、お客さまへより良いサービスを提供していくにはどうしたらよいのでしょうか?
三大都市圏では時給が1050円に
「リクルート」は11月15日、10月の三大都市圏の飲食店のアルバイト・パート時給が新型コロナウイルス感染拡大前の2019年11月を上回り、過去最高になったと発表しました。
2019年11月の1043円に対し、2021年11月は25円増の1050円。最高額を更新したのは1年11カ月ぶりとのことです。
さらに「マイナビ」の発表によると、10月の全国平均時給は1137円で、前月比で2円増、前年同月比では15円増。特に「飲食・フード」の求人案件数は前年同月比で1.5倍にまで増加していて、平均時給は2020年1月の調査開始以来、過去最高の1,000円を記録したそうです。
全国的に飲食店の時給が上がった背景には、緊急事態宣言・まん延防止等重点措置の解除、そして飲食店への時短営業要請の解除により、居酒屋などを中心に営業が再開され求人が増加したこと、10月1日から最低賃金の改定が行われたことなどがあると考えられます。
飲食店の人材不足が加速
飲食店の時給が上がったことは、コロナで悪化していた非正規の雇用情勢が上向いてきた明るいニュースと言えます。しかし飲食店にとっては、人材の争奪戦と人件費の高騰が起きていることに他なりません。
過去、人材不足に対応するため、留学生アルバイトを採用していた飲食店は少なくないでしょう。しかし、コロナの影響で留学生が本格的に入国できるのは2022年2~4月と見込まれており、留学生の就労は当面期待できない状況にあります。このままでは、特に人材が集まりにくい深夜帯や年末の営業に制限をかけざるを得ない店舗も出てくるでしょう。
救世主となるのは「モバイルオーダーシステム」
この状況に対応していくには「業務の効率化」が欠かせません。そこで知っておきたいのが「モバイルオーダーシステム」です。
これは、お客様のスマートフォンを用いてセルフ注文・決済を行う仕組みです。活用すると人との接触を最低限にできるため感染防止策になる点に注目が集まったため、「モバイルオーダーシステム=感染対策アイテム」だと思っている方もいらっしゃるかもしれません。実は、人との接触を最低限にできることは業務の効率化に直結するため、人材不足解消にも役立てることができます。
モバイルオーダーシステムには主に次の機能・特徴があります。
1 セルフオーダー
お店側はテーブルごとにQRコードを設置します。お客さまが自分のスマートフォンでそのQRコードを読み込むだけでスマートフォン上にメニュー画面が表示され、簡単に注文ができます。ホールスタッフがテーブルへメニューを持って行ったり、注文を取りに行ったりする必要がありません。
「スタッフが直接、おすすめ料理などを案内するのが良い」という考え方もありますが、スマートフォンから注文する方がお客さまにとってはストレスがないため満足度が高まる、オーダーが簡単なのでオーダー数が増える傾向にあることがわかってきています。また、ホールスタッフは心身ともに余裕を持てるため、接客をよりていねいにできるようにもなります。
2 セルフ会計
食事を終えたら、お客さまは自分のスマートフォンでオンライン決済ができます。レジ前にお客さまがごった返してしまう、スタッフが配膳を終えて急いでレジへ行く……といったことがなくなります。
また、オンライン決済なので、お金のやり取りのミスがなくなりますし、締め作業が効率的にもなります。
3 事前注文・決済
テイクアウトがしたいとき、お客さまはスマートフォンで商品のオーダーから支払いまでができます。お店ではテイクアウトの予約を受ける、代金を受け取るなどの業務をなくせます。
さらに、お客さまには、どこからでもオーダーできる、商品受け取りまでの待ち時間をなくせる、支払いを済ませているので商品を受け取ったらすぐにお店を出られるなどのメリットもあります。
モバイルオーダーサービスの導入は人材不足に悩む飲食店にとって大きな力となります。提供する会社によってシステムの機能や使い勝手に特色があるため、トライアルができるか?親身に相談や疑問に対応してくれるか?導入後のサポートが充実しているか?などを確認しながらサービスを選んでください。