
アフターコロナに向けた営業再開チェックポイント
9月末、緊急事態宣言とまん延防止等重点措置のすべてが解除されました。そこで、安心して来店していただける飲食店であるためのポイントをまとめました。
カギは基本の対策とデジタルの導入
宣言と重点措置がどの地域にも出ていないのは半年ぶり。これまで外食を控えていた方々が徐々に動き出し、街は活気付いていくでしょう。ただ、不特定のお客さまが店内を出入りし、店員の対面サービスを受けるという飲食店の“当たり前”は敬遠されるはず。感染者数を増やさないための行動が引き続き求められますし、安心して来店できる対策を取れている飲食店への需要が高まっていくと考えられます。
次に紹介する点は店選びの重要なポイントになると同時に、中長期的な営業戦略にもなることです。
0 基本の対策
テーブルの間隔を開ける・アクリル板を設置する、一層の衛生管理に努める、スタッフの健康管理を徹底するなどは基本の「キ」。これからも細心の注意を払ってください。
1 予約
これからも「密」は避けたいと考える方は多いはず。予約を受け入れて入店者数の管理と密の回避をしていきましょう。「予約システムがない」「システムが古いまま」という場合、見直すべき時が来ています。
2 注文
多くの人が触るメニュー表をテーブルに置いたり、スタッフが注文を伺いに行ったりする従来の注文スタイルも見直しましょう。特に設置型のメニュー表を不快に感じるお客さまが増えているので、着席後に消毒済みであることを伝えてテーブルに置くとよいでしょう。
理想は端末を設置してオーダーをできるようにしたり、お客さまのスマホからモバイルオーダーできるシステムを導入したりすることです。
後者は、お客さまが自身のスマホで卓上やレシートのQRコードを読み込んでスマホ上のメニューから注文するというもの。不特定の人との接触がないためお客さまは好意的に捉えます。店員を呼び止める手間が減る、多くの場合はキャッシュレスによる決済機能を備えているため支払いも非接触・非対面でできることもメリットでしょう。
また、多くのシステムではオーダーの情報がデータとして得られるので、新たなメニュー開発などに役立てることもできます。
3 料理の提供
人と人の接触を最小限にするために、ひとつのテーブルをひとりのスタッフが担当しましょう。水やワインなどはお客様自身で注げるようにするのも良い方法です。
4 会計
支払ができるアプリを導入したり、さまざまなキャッシュレス決済に対応できるようにしたりし、会計の場面でも接触を最小限にしましょう。現金のやり取りに比べてスピーディ・釣銭の間違えがないこともメリットといえます。
新しいシステム導入時にはスタッフが困ったり慌てたりすることのないように事前の研修を十分に行ってください。
スタッフによる接客は、外食の楽しさや満足度を大きくするものでもあるため、デジタルへの移行に不安を感じる方もいらっしゃいます。しかしアフターコロナにおいては、デジタルの活用は決してサービスの低下ではなく、サービスの向上と捉えられるはずです。
差別化を図るには?
取り組みをしても、それがお客さまに伝わらなければ、取り組んでいないのと同じ。積極的に情報発信をしていきましょう。
□WEBサイトやSNSの更新を続け、営業を再開したことや感染症対策の内容を発信していきましょう
□サービス等に変更点がある場合、WEBサイトやSNSなどの情報すべてを更新しましょう
□問い合わせメールやSNSのメッセージの確認を怠らないようにし、お客さまの要望や質問に誠意を持って応えたり、不安や疑問を解決したりしていきましょう
□消毒や換気などの感染症対策はお客さまを迎える前に済ませるのがよいと思いがちですが、お客さまの目の前で行ったり、言葉に出したりするとより大きい安心感を与えられます
変化の時代、飲食店には経営や店舗運営の見直しが迫られています。果敢な変化こそが、長く愛される飲食店への1歩になるはずです。