
アフターコロナに向けた飲食店の戦略! 人材確保と感染症対策の見える化を
新型コロナウイルスワクチンの国内での接種がはじまりました。日常への第1歩になればと期待をしている人は多いはずです。飲食業界では依然として厳しい状況が続くものの、アフターコロナを見据え、今こそ経営課題の克服に取り組んでいきましょう。
積極的に人材の確保を
飲食業界は長く、慢性的な人材不足に悩んできました。そこに新型コロナによる緊急事態宣言や時短営業、休業などが追い打ちとなり、人材が流出してしまった飲食店は多いでしょう。今現在は少ない人材で十分かもしれません。けれど、経済活動が全面再開に向かうにつれて客足が戻ってくると、人材の課題に直面する可能性は高いと言えます。また、今後もテーブル・カトラリー類、店内で不特定多数の人が触れる場所などのアルコール消毒はお客さまの信頼を得るために欠かせない一方で、従業員にとってはこれまでにはなかった業務が加わることになり、余裕のある従業員の配置が求められます。店舗を再び成長させていくために人材の確保を今から進めていきましょう。
今後の戦略をふまえて人材を採用することも大切です。例えばディナータイムだけの営業の店舗がランチタイムの営業をスタートする場合、これまでとは異なり、昼間の時間帯に働けるスタッフが必要です。多様な働き手に目を向けることで迎えられる従業員は増えるはずです。
今こそ活用したい
リファラル採用とスポット採用
人材確保のために試してみたいのが「リファラル採用」です。リファラル(referral)は「紹介」という意味。自社の従業員に人材を紹介してもらい、選考を進める方法です。
従業員は自社の仕事内容から社風までよく理解しているため、自社に適した人材がわかります。リファラル採用ならよりよい人材を募集・採用できるが高まります。求人媒体への掲載コストを抑えることもできます。
短期間・日雇いなどの有期労働契約で人材を補充するのもひとつの方法です。必要なときに人材が確保できる、人件費の調整ができることは大きなメリットです。
経営を軌道に乗せるには、
慎重派のお客様を呼び戻すことが重要
withコロナ、アフターコロナでは、お客さまをいかに呼び戻すが課題ですが、特にカギとなるのは「行動に慎重なお客さま」をどれだけ呼び戻せるかです。
お客さまが感染のリスクを気にせずに済むようにするためには感染症対策が重要です。ただ、消毒の設置と徹底、従業員のマスク着用、座席にパーテーションを設置するなどの対策だけでは差別化は図れません。お客さまの不安を減らすためにできることを考えてください。
顧客目線で安心材料を増やす
取り組むべきことの1つは「見える化」です。これまでお客さまを迎える前に済ませていたことをあえてお客様の目の前で行います。
・従業員の手指の消毒をお客さまの目の前でする
……お客さまの来店時に従業員が手指を消毒します。その様子を目の前で見ると、安心感や信頼度が増します。
・案内したテーブルもお客さまの目の前でアルコールで拭く
……お客さまを案内する前に感染対策を終えていたとしても、拭いている様子を見せます。前に座っていたお客さまからの感染リスクが無くなったと感じられます。
・テーブル上の調味料類はお客さまが座ってから配置する
……テーブルに常に調味料や漬物などを置いていた店舗は、料理と一緒に配膳するなどに変えましょう。
次のことも安心材料になります。
・店舗のドアを開けっぱなしにする
……換気が出来ていると感じられる他、店の外から店内の様子や混み具合がわかります。
・テイクアウトやデリバリーが現金支払いの場合、やり取りを最小限にできる価格設定にする
……人と人の手でやり取りされる金銭からは感染のリスクを感じやすいものです。670円、830円といったおつりに端数が出やすい料金設定よりも500円、1000円といったキリのより価格の方が気持ちよく支払いができます。
・デジタル技術を導入する
……セルフオーダー&セルフ決済などのサービスは、人と人との接触を減らして感染症対策ができる以外にも、人材不足をカバーしたり、テイクアウトやデリバリーのサービス提供をスムーズにしたりと、withコロナ・アフターコロナの飲食店にとってメリットが多くあります。
これから迎えるアフターコロナ時代は、社会や経済がもとに戻るのではなく、「新しい生活様式」によって出来上がる新しい時代です。新しい方法を確立することで、お客さまはもちろん、従業員からも選ばれる店になるはずです。