
黙食をお客さまは受け入れている?コロナ禍の意識調査
食事中の会話による飛沫感染を防ぐために「黙食」を呼びかけていますか?感染対策とはいえ、お客さまがどう受け止めているのか気になっている方は多いはず。そこで、黙食の効果や意識調査の結果をご紹介します。
黙食をすれば感染リスクは上がらない
新型コロナ感染拡大は、飲食そのものが感染の原因になり得るような理解を広げました。しかし研究が進むにつれ、本当のリスクがどこにあるかがわかってきました。
マイクロ飛沫の感染リスクとその対策の研究をおこなう豊橋技術科学大学の飯田明由教授は国内外の新型コロナの最新の論文データをもとに、暮らしの場面ごとのマイクロ飛沫感染リスクを比較研究。そして、次の結果を発表しました。
・「飲食店」は、「カラオケボックス」に次いで、感染リスクが高い
・一方で、「飲食店」で“黙食”を行うと感染リスクが「オフィス」や「スーパーマーケット」などにいる時よりも低くなる
「飲食をするから飛沫が出るのではなく、飲食時の会話から飛沫が出ている」ことが明らかになりました。飲食店で騒がずに、静かに食事をすれば感染リスクが上がることはないことがわかります。
“黙食”をお客さまにお願いすることにストレスを感じたり、「お客さまが離れてしまうのではないか」と不安を抱いたりしている飲食店は少なくないでしょう。しかし、黙食を徹底することでお客さまは自身の健康を守れますし、行きつけの店の味を楽しむこともできるのですから、メリットは大きいといえます。
黙食を受け入れているお客さまは多い
では、お客さまは黙食をどう捉えているのでしょうか?
田村駒株式会社(大阪市)は、コロナ禍における飲食店ユーザーの意識と動向についてアンケート調査を実施。次の結果が得られたそうです。(グラフは同社発表資料より抜粋)
【アンケート概要】
実施日:2021年8月17日~18日
方 法:インターネットによるアンケート
対象者:日本在住の20歳から70歳までの男女(無作為)
n=300
■飲食店での黙食について
上位の回答は「黙食の後、マスクをしてから会話すればよい」「好きな飲食店守るために黙食に協力できる」で、いずれも30%を超えており、合わせると半数以上の人は黙食を受け入れているという結果が出ました。
一方で「会話のない飲食は考えられない」と回答した人は20%おり、協力を求めるだけでなく、黙食の正しい効果を周知するなどの取り組みも必要だと考えられます。
■黙食用パーテーションについて
「状況によって依頼したいので用意しておいて欲しい」「今すぐ使えるようにしてほしい」と肯定的な回答を合わせると45.3%に。「皆が使うようになれば自分も使いたい」という比較的肯定的な回答も合わせると、64%が黙食用パーテーションの準備を求めているという結果になりました。
「状況によって依頼したいので用意しておいて欲しい」と「皆が使うようになれば自分も使いたい」という回答には、入店後の店内の様子に不安を感じてる人、不快な思いをしている人が少なからずいることが表れており、お客さまが安心して食事できる環境づくりが求められているといえます。
飲食店での黙食は、お客さまにとってもお店にとっても、非常に意味のある取り組みです。基本の感染対策の徹底に加え、「非接触」「キャッシュレス」そして「黙食」を提案していくことで、外食文化を守っていきましょう。