
リピーター獲得の近道!テイクアウト×サブスクの可能性
テイクアウトに力を入れる飲食店が増えています。さまざまな手法で差別化が進められる中、注目されはじめているのが「テイクアウト×サブスク」です。
飲食業界でもサブスク導入が進む
最近、「サブスク」という言葉を耳にする機会が増えました。これは、商品の購入代金やサービスの利用料を毎回請求する・支払うのではなく、一定期間利用することができる権利の代金を請求する・支払うビジネスモデルです。音楽配信や動画視聴のサービスでは一般的な体系になりつつあります。
飲食業界でも導入されています。2019年、2020年には、牛角が期間限定で行いました。1回目は通常3480円の食べ放題コースを1万1000円で毎日利用可能という内容で、利用者が急増!反響が大き過ぎて、サービス開始から1カ月あまりで終了してしまいました。2回目はプランを変更し、数量限定で販売されました。
サーティーワンアイスクリームでは、毎日アイスクリームが食べられるサービス(5980円)と毎月のおすすめを食べられるサービス(359円/月)の2種類を販売しています。
テイクアウトでもサブスクがスタート
そんなサブスクを、テイクアウトやデリバリーと組み合わせる動きがでてきました。「定額で月に○回食べられる」以外に、「定額課金で1カ月間割引されるなど、特典が受けられる」といったサービスがあるようです。
テイクアウトをサブスクにすることは、「新規顧客の獲得」「リピーターの獲得」「マーケティングができる」「注文数がある程度予測できるのでフードロスが減る」そして「売上にプラスになる」といったメリットが考えられます。
サブスクに対応するアプリも登場していて、そのひとつが定額制テイクアウトアプリPOTLUCK(ポットラック)です。月額定額チケットを購入することで、約300店舗、約1400種類(2021年5月末時点)の飲食店の料理を気軽にテイクアウできるサービスです。月々税込7646円で30日間で最大12食(1食あたり590円)、月々税込10584円で土日を除く昼もしくは夜1回(1食あたり490円)テイクアウトできるプランなどがあります。ワンコイン程度の料金でいろいろなお店の料理を楽しめるとあって、登録する人が増えています。
店舗側の使い勝手も良いよいです。利用者はランチは10:30まで、ディナーは17:30までという規定の時間内にアプリ上でテイクアウト予約をします。決まった時間に店舗に予約数の連絡が入るため、店舗のオペレーションと調整しながら準備を進めることができます。また、利用者はアプリ上で料金の支払いを済ませるため、店舗と利用者のやりとりはテイクアウト商品の受け渡しのみで完了します。
同サービスは現在、渋谷や恵比寿、新宿等で展開されていて、今後、エリアの拡大が予定されているようです。
『POTLUCK』https://www.pot-luck.jp
サブスク導入には注意点も
サブスクの導入を検討する際には起こり得るデメリットも知っておきましょう。
次のことが考えられます。
・テイクアウトできるメニューが看板メニューの一品のみだったり、メニュー数が少なかったりすると、利用者に飽きられてしまう。複数の店が加入するサービスを使う場合も、自社独自のサービスにする場合も、継続して利用したくなるようにメニューに工夫が求められる。
・サブスクをすると客単価が安くなる傾向がある。テイクアウトでは、容器代やおしぼり代など消耗品のコストもかかるため、赤字になることもあり得るので、サブスクを確実な売り上げアップの戦略にしていくには、十分に検討をして価格設定をする必要がある。
サブスクは、人々のライフスタイルが所有から利用へと変化している今、消費者ニーズと合致するサービスと言えます。また、提供側にコストとサービス提供のバランスの難しさがあるのは、それだけ利用者にとって魅力の大きいサービスということです。来店促進のひとつの手段として定着していくかもしれません。