
今こそ地方が輝く時!魅力発見ご当地の味 北海道編
その土地ならでは『ご当地の味』はそこに住む人はもちろん、訪れる人にとっては旅行の目的のひとつになったり、離れている人は故郷を思い出せたりと魅力的なものです。各都道府県の特産物や郷土料理、ご当地グルメなどをご紹介していきます。
今回は【北海道編】です!
◆言わずと知れた食の宝庫!
83,424平方キロメートルにも及ぶ、広大な土地を有する北海道。その土地の半分は山地で、周囲には太平洋、日本海、オホーツク海の大海原が広がります。
冷涼、低湿で積雪期間が長く、春先になってようやく雪解けを迎える気候であるため、欧米の近代農業技術の積極的な導入や土地改良など農業経営への努力が続けられてきました。その結果、我が国最大の食料供給地域として発展しました。
地域特性を生かした豊富な食材が育まれています。小豆やじゃがいも、小麦など多くの品目が全国トップレベルの生産量を誇っていて、「ジンギスカン」「石狩鍋」など全国的に知られる郷土料理も多くあります。
◆郷土料理「飯寿司」人気が上昇中
郷土料理のひとつ「飯寿司(いずし)」は、魚と野菜を米麹に漬けて、乳酸発酵させたもの。ホッケやサケ、ハタハタ、ニシン、サンマなど北海道でとれるさまざまな魚が秋の終わりから初冬ごろにかけて漬け込まれます。冬の伝統的な保存食として北海道全域に根づいています。
かつては家庭で漬け込み、正月や家族や親戚の集まるハレの日に食べるのが一般的でした。しかし、近年は若者の飯寿司離れが進み、郷土料理としていかに伝承していくかが課題になっています。飯寿司製造業者が高級魚キンキの飯寿司、固定概念をとっぱらった牛肉の飯寿司なども売り出すなどして、時代にあった飯寿司文化づくりが進んでいます。
そうした中、コロナ禍で「家で旅行気分を味わいたい」「家飲みを楽しむためにお取り寄せをしよう」という需要が増え、“古くて新しい飯寿司”はちょっと贅沢で健康的なつまみだと注目されるようになってきました。これから、飲食店でも通のための一品になっていくかもしれません。
◆新たな洋菓子文化を発信
北海道における生乳生産量の国内シェアは2010年度以降、50%を超えています。その生乳のほとんどはバターなどの乳製品に加工されていて、そのシェアは国内生産の乳製品の約80%を占めています。北海道は洋菓子づくりで重要なミルクやバター、小麦の生産が量・質とともに豊かであることに加え、洋菓子製造に適した冷涼な気候でもあるため、洋菓子の生産でも知られています。全国に名を馳せる銘菓がたくさんあるだけでなく、今や全国で季節商品になっている「ひなまつりデコレーション」、全国的なブームを巻き起こした「チョコレートモンブラン」なども実は北海道で生まれだそうです。
2005年には、札幌の街を“スイーツ王国”と位置づけ、より一層のスイーツの普及促進を図ろうと、「スイーツ王国さっぽろ推進協議会」が設立されました。
2006年からは、その年の札幌の顔となるにふさわしいスイーツを決定する「さっぽろスイーツコンペティション」がスタート。今年2月には「さっぽろスイーツコンペティション2020&2021~札幌市民とプロパティシエの競演~」が開催され、「さっぽろレアチーズカフェ」がグランプリを受賞しました。主となる材料の乳製品、りんご、焙煎コーヒーは北海道産のものが使用されているそうです。
◆持続可能な畜産を推進
日本の畜産には環境問題を深刻化させたり、持続可能性を下げたりするいくつかの原因があります。いま、SDGs推進に後押しされ、環境に配慮した持続性の高い畜産への取り組みがはじまっています。
取り組みのひとつとして注目されているのが「放牧」です。土・草・家畜を循環させることができる、耕作放棄地の再生ができるなどさまざまな課題を解決すると期待されています。また、放牧牛は栄養価が高く低脂肪・高たんぱくになるため、需要は増えています。
一方で課題になっているのが、牛1頭に1ヘクタール以上必要と言われる広大な牧草地の確保。さまざまな団体や企業、起業家が十分な土地がある北海道を取り組みの地に選び、活動を深めています。北海道が新たな和牛生産地になる日も遠くなさそうです。
いかがでしたか?
これからも各都道府県の魅力をお伝えしていきます。