
「外食」は身近な楽しみ ファミリー層をターゲットに
外出自粛が続く中でも、家族での外食需要は戻りつつあります。「外部の人との会食は気が引けるけれど、生活を共にする家族となら」と考える人が増えているのです。
ファミリーは外食に前向き
「せっかくのハレの日だから」「外食でお出かけ気分を楽しみたい」「休園・休校で……」などの理由で、近場で外食をする家族が増えはじめています。接待や仕事帰りに一杯といった需要が見込めない今、ファミリー層を取り込むことはひとつの戦略になりそうです。
子どもを連れて外食をする家族がよく選ぶのは、ファミリーレストランやファストフード店、うどん店などです。しかし現在は、貴重な外食の機会だからこそ、「大人も楽しめる店がよい」という声があり、さまざまな業態のお店にファミリー層は関心を持っています。
ファミリー層が喜ぶサービス・設備
次のようなサービス・設備があるとファミリー層に非常に喜ばれます。
●子供用食器
プラスチック製の取り分け用の食器やコップを置いているお店は多いはず。長年使っていて、食器のイラストが消えかかっていたり、変色していたりするとお客さまが不快に思うの定期的にチェックをしましょう。また子どもは食事中に何度も食器を落とすことも……。すぐに新しい食器を提供できるように十分な数を用意しておけると良いでしょう。
●座高調整のイス
幼児用のイスやクッション、座布団などは子どもが座るのにとても役立ちます。年齢によって必要なアイテムは異なるため、2種類くらいあるととても喜ばれるはずです。
感染が気になる今は、お客さまの目の前で、貸し出す前にイスを消毒をすると大きな安心感になります。
●子供用ストロー
ストローが長いと飲みづらいだけでなく、飲み物をこぼす原因になります。子供用コップに合わせた短いタイプや曲がるタイプを提供してください。コップにフタがつけられるとさらに安心で、お父さんお母さんにゆっくり食事をしてもらうこともできます。
上記は準備出来ているお店も多いはずです。+α用意したいのは次です。
●ランチョンマット
子供は食事をこぼし、それを拾って食べてしまいます。テーブルに落ちた料理を食べることに抵抗を持っているお父さんお母さんは少なくありません。清潔なランチョンマットがあると神経質にならずに済むので喜ばれます。紙タイプは使い捨てなのでより安心できます。
●お食事用エプロン
使い捨てのエプロンを提供すると、洋服を汚しにくくなるので大変喜ばれます。ただ、着けることを嫌がる子供もいるので、必要かどうかを尋ねてから提供してもよいでしょう。
●とりわけ用のお箸
箸やカトラリーを人数分のみを提供している場合、別に取り分け用の箸も出しましょう。箸やカトラリーの共有は虫歯の原因になり得るため、気を付けているお父さんお母さんもいらっしゃいます。
また、お父さんお母さんが辛い料理などを気兼ねなく食べられるようにするためにも別の箸は必要です。
●フリーWi-Fi
他のお客さまがいる中で、子どもが落ち着かないでいると、お父さんお母さんはゆっくり食事をすることができません。少しの間、スマートフォンで動画を見せたいと思うことがあります。フリーWi-Fiがあるといいと思っているお父さんお母さんは少なくないでしょう。
メニューにも一工夫を
そもそも子どもが食べられる料理がなければそのお店に入りません。特に外での食事が難しいのは、離乳食期と1・2歳時の幼児食です。
お店で離乳食を提供するのは簡単なことではありません。離乳食は持ち込み可にするのが良い方法です。持ち込み可であることはHPやSNS等でしっかり伝えてください。食べるためにお湯などが必要な離乳食もあるので、離乳食を用意しているようなら声掛けをしてみましょう。
幼児食は提供をするお店もあります。デニーズでは乳児向けベビーフード「しらすの雑炊」をメニューに入れています。Coco壱番屋は「1歳からのやさしい野菜カレー」がメニューにあるものの、まだ食べられない子のために「キューピーささみと野菜のリゾット」を提供しています。
もちろん幼児食が特別メニューである必要はありません。子供サイズの麺類や白米を注文できるだけでも喜ばれるでしょう。また、子どもを想定したメニューにはアレルギーに関する表記をすることをおすすめします。
ファミリー層は、複数のママ友がいたりと横のネットワークが強い年代です。「あの店、子連れでも過ごしやすかったよ」といった評判は広がりやすく、口コミ来店も期待できます。ファミリー層にやさしい取り組みをはじめてみてはいかがでしょうか?