
東京都で「コロナ対策リーダー」制度はじまる 動画研修・テストで選任
4月に入り、東京都では「コロナ対策リーダー」制度がスタートしました。これは、店舗ごとにマネージャーなどの責任者を「コロナ対策リーダー」に選任・登録し、感染防止マナーをお客さまに呼びかけていくことで、店舗・お客さま双方による感染拡大防止対策を徹底していこうという取り組みです。
テストに合格すると「コロナ対策リーダー」に
感染拡大防止と経済社会活動の両立を図るため、東京都では事業者向け東京都感染拡大防止ガイドラインやガイドブックを策定し、対策に取り組んでいるお店には「感染拡大防止徹底宣言ステッカー」を掲示してもらうなどして感染防止対策を推進しています。
「感染拡大防止徹底宣言ステッカー」は業種別の感染防止対策チェックシートにある項目をすべて実施し、専用フォームから申請すると取得できます。つまり店側の自己申告によるものです。一方、新たにはじまった「コロナ対策リーダー」になるには、事前に感染防止徹底宣言ステッカーを取得したうえで、研修をうけてテストに合格しなければなりません。
【コロナ対策リーダーになるには?】
1 店舗ごとに店長やマネージャーなどの責任者を「コロナ対策リーダー」に選任し登録。リーダーは感染防止マナーを利用客に呼び掛ける旨を宣誓する。
2 リーダーはオンライン上で研修動画を見て対策のポイントを学ぶ。動画は基礎知識編と接遇実践編で構成された4本であわせておよそ40分。最後に6問の確認テストを受ける。
3 6問すべてに正解し合格すると、東京都から修了シールが発行される。
※パソコンが不慣れな方向けの対策として、テキストによる研修、郵送による修了シール発送なども実施されています。
感染防止対策をしっかり勉強している人を店舗に1人置き、その人から他のスタッフに正しい知識を共有していくことで、お店全体の対策がより効果的になっていくと期待できます。また、コロナ対策リーダーになると「感染拡大防止徹底宣言ステッカー」に王冠マークがつくことを東京都は広くPRしていくとしていて、お客さまにとっては店選びの際の“安心材料”になっていきそうです。
使命は感染防止マナーの促進
コロナ対策リーダーは来店時の手指消毒や小声での会話、食事中以外の時のマスク着用など5項目をお客さまに促していきます。会食や飲食などは感染リスクが高いとされており、特に「食事中以外の時のマスク着用」は飲食店での感染対策の肝です。ただ、会話が弾み楽しそうなお客さまに声掛けすることにハードルを感じているお店は少なくありません。研修動画ではさまざまなお客さまがいる中で、どんなタイミングでどんな声掛けならお客さまが受け入れやすいかなどを学べるため、参考になるという声が多くあがっています。
またコロナ対策リーダーのステッカーが「感染拡大防止徹底宣言ステッカー」と差別化され、お客さまは「コロナ対策リーダー」がいる店とわかることで、声掛けがしやすい環境になると考えられます。
リーダーになるとインセンティブがある
緊急事態宣言解除後、東京都では飲食店に対する時短要請を午後9時までに緩和しており、要請に応じた店舗は1日4万円の協力金が支払われます。「コロナ対策リーダー」の登録はこの協力金を申請する場合の条件にもなっています。また、リーダーがいるお店ではCO2濃度測定器などの購入助成も受けられようになるとのことです。
東京都がはじめた「コロナ対策リーダー」制度には賛否の声があるようです。ただ、お店とお客さまが一体になることは、重要な一手になっていくことは間違いありません。
制度をめぐっては、千葉県が独自の認証制度をつくり、認証を受けた飲食店を時短営業の対象外としたり、要請を緩和したりというメリハリのある対策を検討しているようです。今後、地域の状況にあわせ、全国でさまざまな対策が打ち出されていくと予想できます。柔軟かつ前向きな対応で、この苦境を乗り越えていきましょう。