
飲食店の「サブスク」導入メリットは?導入事例紹介
近年、スマホの普及により、様々なビジネスモデルの展開が著しい中、飲食業界でも新しいサービスを展開するケースが増えてきています。その中でも、「サブスクリプションサービス(サブスク)」という、定額制のサービスが注目を集めています。そこで、本記事では飲食業界で取り入れているサブスクをご紹介していきます。
サブスクモデルとは
そもそも、サブスクリプションサービス(サブスク)とは、提供する「商品」や「サービスの数」ではなく、「利用期間」に対して料金が設定されている定額サービスのことです。例えば、電車の定期券であったり、月額の音楽や動画配信サービスだったりします。飲食業界でも、そういった定額制のサービスで安定して売り上げを確保しやすい点や、来店回数の向上が期待できるなどのメリットから導入され始めています。
【サブスク導入事例】
ラーメンのサブスク
・赤坂人気ラーメン店「赤坂麺処 友」
ラーメン店『赤坂麺処 友』(港区赤坂)では、月額300円でラーメンを1杯注文すると1日1回「葉ニンニク餃子(5個入り)」が無料になる定額制サービスを実施しています。
参考:https://www.value-press.com/pressrelease/263859
・「東京豚骨拉麺ばんから」
ラーメン店「東京豚骨拉麺ばんから」の秋葉原店、池袋東口店で、1ヶ月6,800円で、「ばんから」「つけめん」「とんこつ」の3種類のラーメンを1日1杯まで食べ放題となる「ラーメンパスポート」を販売を実施。その他、人気ナンバーワントッピングの角煮が1ヶ月1,000円で1回につき1個提供する「トッピング角煮パスポート」、1ヶ月300円で味玉やメンマなどのトッピングが選べる「トッピングパスポート」も用意されている。
参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000034.000029839.html
焼肉のサブスク
・「29ON」
完全会員制の焼肉店「29ON」は、低温調理により肉の旨味を凝縮させた“焼かない焼肉”が食べられるお店として話題。本店は西新宿にあり、他にも池袋・代官山・表参道がありますが、いずれも会員制となっています。こちらのサブスクでは、年会費を払うことで会員になれます。話題のお店ということもあり、限定的に会員募集していることがあるので、お店のSNSは要チェックがおすすめです。
参考:https://www.instagram.com/29_on/?hl=ja
・「Osaka Meat Brothers 天王寺あべの店」
大阪にある「Osaka Meat Brothers 天王寺あべの店」では、サーロインステーキが毎日食べ放題できるサブスクを実施。月額3,329円で会員になると、1日1回牛サーロインステーキが90分食べ放題となります。
参考:https://osaka-meat-brothers.business.site/
居酒屋のサブスク
・「居酒屋一休」
一休が運営する「居酒屋一休」31店舗で、月額定額500円で「おつまみ&ドリンク半額会員」と題した定額制サービスを実施。会員券を提示することで利用可能。先行販売を行っていた『居酒屋一休 渋谷店』では、開始約2週間で会員数1,000人を突破するなど大人気のサブスクサービスです。
参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000090.000016506.html
カフェのサブスク
・「coffee mafia」
都内3か所に店舗がある「コーヒーマフィア」は、3種類のサブスクを実施。月額6,500円、4,800円、3,000円の中から選ぶことが出来るため、利用頻度や財布の事情に合わせたコースが選べる。6,500円のプレミアムコースでは、スムージーやコーヒーなど全てのドリンクが毎日1杯無料になります。
・「上島珈琲店」
2種類のコースが用意されており、テイクアウトパスポートは月額5,000円でルドリップコーヒーが1来店につき1杯無料のサービス。イブニングパスポートは月額5,100円で1日1杯17時以降、店内でコーヒーを飲むことができる。※ただし、対象店舗が決まっているため注意が必要
その他にも、平日・祝日限定のコーヒー1来店につき1杯無料や、朝活の時間限定で月間8回モーニングトーストセットが無料など、曜日・時間限定でのサブスクを行っている。上島珈琲店はフードメニューも豊富で、セットメニューを除いてはサブスクサービスに合わせてフードの購入が可能となる。
参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000146.000011240.html
サブスク導入のメリット・デメリット
【メリット】
・収入の安定化がしやすい
天気や曜日などよっては、1日の売り上げが左右されることもありますが、サブスクを取り入れている飲食店では、登録している会員券の売上が固定収入となります。来店数が振るわない月であっても、安定的な収益が得られるのは売上予測が立てやすいため、経営者にとって助けになるでしょう。
・来店頻度が増えるため売上アップに繋がる
サブスク会員になった顧客は、よりお得に利用したいという気持ちから、来店頻度が増えることが予想されます。サブスクの仕組みにもよりますが、来店のたびに利益につながるサブスクであれば、会員と飲食店双方にとってメリットに繋がります。また来店頻度が増えることによって、「ついで買い」による売上増加も期待できます。これによって、リピーターを増やすことができれば、売り上げアップに繋がっていくでしょう。
・顧客へのアプローチができる
サブスクを導入した場合、顧客データの入手が容易になります。会員登録時に名前や連絡先、生年月日を入力するため、会員情報を入手できるからです。サブスクで得た顧客データを基に、店舗情報や新メニューのお知らせ、キャンペーン告知などを配信すれば、さらにリピート率のアップが期待できるでしょう。また、購入した顧客のデータから商品が売れる時間帯や人気メニューの統計も取りやすくなります。分析した統計データをもとに、より良い経営戦略・企画を行うことによって今後のメニュー開発やさらなるサービス向上にも役立つでしょう。
【デメリット】
・初期費用などの様々なコストがかかる
サービスを始めるためには、導入費用や維持費、サービス開始の告知などはじめに諸々経費がかかってきてしまいます。飲食店でのサブスク開始が認知され、会員を増やしていくためにも、サブスクの導入を決める前に、念入りな準備と計画を行っていくことが必要になるでしょう。
・適切な在庫管理が必要になる
通常のメニューの仕入れに加え、サブスクで提供するメニューに使う材料も提供が切れないよう計画的な在庫管理が必要となってきます。固定客の継続的な利用を促すためにも、良質なサービスを維持する必要があるため、特にサブスクメニューはいつでも提供できる状況にしておくことも重要です。
まとめ
サブスクリプションサービスは、今までの飲食店のサービス・ビジネスモデルと違って、新しい取り組みとなるため、経営の安定化が見込めるサービスとなっています。また、安定した収益のアップだけではなく、サブスクがきっかけとなり顧客の囲い込みを行うことによって新規顧客・リピーターの獲得も期待できます。既にサブスクリプションを導入している飲食店も多いので、導入事例やサービス内容・口コミ等を確認しながら自分のお店に合ったサービスを検討し、お店にもお客様にもメリットのあるサービスを提供してみてはいかがでしょうか。